クリニックで行うPCR検査とは?検査方法、結果報告について解説します
目次
「PCR検査って何をするの?」いそわクリニックのPCR検査を紹介
「PCR検査」とはウイルスの量を測定する検査です。鼻の奥の粘膜(鼻咽頭ぬぐい液)あるいは唾液を検体として採取します。その検体からウイルスに特徴的なRNA遺伝子の配列を増幅させ、ウイルスの存在を確認します。RNA遺伝子配列を増幅させるのに必要な一定のウイルス量が存在すれば陽性の診断ができますが、ウイルス量が少ないと診断ができず陰性となります。
現在、新型コロナウイルスの判定のために行われているPCR検査の多くはreal time RT-PCR法です。この検査は検査が終了する前の途中でもウイルス量を測定できます。ウイルス量が少なくても迅速かつ高精度でウイルスを測定できることが特徴で、現時点で新型コロナウイルスの陽性判定に対しては信頼性の高い検査です。いそわクリニックでは遺伝子解析装置 AutoAmpという機器を導入し、real time RT-PCR法にて新型コロナウイルスの検査を行っています。
いそわクリニックのPCR検査の検査結果報告方法は?
いそわクリニックでは唾液採取によるPCR検査を行っています。唾液のほか、鼻咽頭拭い液の採取も可能です。午前中に唾液を提出するとその日のうちに結果が報告されますが、場合によっては翌日・翌々日となることもあります。午後の提出は翌日以降に結果が報告されます。
結果報告は基本は電話にて行います。(ご要望によりメール等でも対応いたします。)
PCR検査にかかる費用や時間を徹底解説
PCR検査には保険診療と自由診療の2種類があります。保険診療ではPCR検査自体は公的負担があり無料で受けられます。ただし、検査と同時に受ける診察料は保険料3割負担となり有料です。自由診療の場合はPCR検査、診察料ともに実費負担となります。
保険診療は咳、発熱などの症状がある人や、新型コロナウイルス感染者との濃厚接触者が医療機関等で診察を受け、新型コロナウイルス感染症の疑いありと診断された場合に検査を受けられます。自由診療での検査は社会経済活動などの理由(海外出張、高齢者がいる実家への帰省、舞台・コンサートなどのイベント関係者)により、体調確認や陰性証明のため、実費を払って検査を行います。
医療機関での検査にかかる時間は15分程度ですが、混雑していると待ち時間が長く1時間以上待つことも多いため、時間に余裕をもって来院しましょう。また、PCR検査を受けるにあたり予約必須の医療機関が多いため、予め電話等で確認するとよいでしょう。
検査結果は検査を受けた翌日(平日の場合)に判明することが多いです。医療機関で実施しているPCR検査の自由診療は、PCR検査、診察料を含めて20,000円前後が多いです。陰性証明書や診断書の発行は別途費用がかかります(3,000~5,000円程度)。
※いそわクリニックでの保険診療費用は2,510円、18歳以下で500円ですが、負担割合により変わります。
PCR検査の自由診療(診察料含む)は17,000円、海外渡航用(診察料、英文陰性証明書作成含む)は23,100円です。
PCR検査キットとクリニックで出来るPCR検査の違い
「PCR検査キット」とは薬局、コンビニエンスストア、自販機等で販売されている抗原検査用の簡易キットです。PCR検査キットとクリニックなどの医療機関で行うPCR検査にはどのような違いがあるのでしょうか。
市販されているPCR検査キットはセルフチェックのために利用する抗原定性検査用の簡易キットです。綿棒で鼻咽頭ぬぐい液をご自身で採取して検査を行います。特別な知識が無くても行える検査です。
PCR検査は鼻咽頭ぬぐい液あるいは唾液を検体として採取し、ウイルスに特徴的なRNA遺伝子の配列を増幅させ、ウイルスの存在を確認する方法です。遺伝子を解析するための専用の機器が必要になります。総合病院や大学病院以外の診療所ではPCR検査用の機器を設置していないことが多く、採取した検体を大手の検査機関に送り検査をしてもらっていることが多いです。
簡易キットを利用するうえでの注意点があります。新型コロナウイルス感染症の陰性証明や確定診断にはならないことです。あくまでセルフチェックであることを理解のうえ国の認可を受けた製品(「体外診断用医薬品」)を購入します。発熱、咳などの症状があり新型コロナウイルス陽性が疑われる場合は、早めに医療機関を受診してPCR検査を受けましょう。また、陰性でも偽陰性の場合もあるため体調の変化に注意して、感染予防対策を取るようにします。
国民生活センターにはPCR検査キットでのトラブルとして「キットの検査では陰性だったが、PCR検査を受けると陽性だった」「ネットで注文したが製品が送られてこなかった」などの相談が寄せられています。信頼のおける販売店等から国の認可を受けた製品を購入するようにしましょう。
抗原検査「定性」と「定量」の違い
抗原検査には「定性」と「定量」の2種類があります。「PCR検査キット」と呼ばれる簡易キットは抗原「定性」検査です。
抗原検査ではウイルスに特徴的なたんぱく質を調べます。検体内の抗原の有無を調べるのが定性検査で、検体内の抗原がどの程度あるかを調べるのが定量検査です。
精度については、定性検査では一定以上のウイルス量が必要ですが、定量検査では定性よりも少ない量のウイルスでも検出可能です。なお、PCR検査は定量検査より少ない量のウイルスでも検出可能です。定性<定量<PCRの順に精度が高くなります。
定性検査では検体採取した場所で検査を行えますが、定量検査は検査用の機器を用いて行います。PCR検査でも検査用の機器が必要です。
判定時間は定性検査は5~30分程度、定量検査は検査機関への搬送時間に加えて30~40分かかります。PCR検査は検査機関への搬送時間に加えて数時間かかります。
【監修・執筆】磯和 剛平
〇病院名 :医療法人 いそわクリニック 〇医師 :磯和 剛平 〇アクセス:寝屋川市駅より徒歩15分 〇診療科 :内科・胃腸科・外科 〇経歴: 1974年 大阪府立北野高校 卒業 1981年 京都大学医学部 卒業 1989年 京都大学 大学院 卒業・博士号修得 テーマ:肝細胞癌における遺伝子修復酵素の研究 1981年 京都大学医学部附属病院外科研修医。 公立甲賀病院、都志見病院、医仁会武田総合病院で外科医として勤務 腹部一般外科、救急医療を中心に診療を行った。 都志見病院では、5年間にわたり、上部・下部消化管内視鏡(胃カメラ・大腸ファイバー)ERCP、 内視鏡的食道静脈瘤硬化術などの消化器内科診療や、糖尿病内分泌疾患、循環器疾患、呼吸器疾患 などの内科診療を広範囲に行った。 1996年12月 いそわクリニック開業